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大阪高等裁判所 昭和25年(う)1350号 判決

被告人

木村忠雄

主文

原判決中被告会社に関する部分を破棄する。

被告会社を罰金二〇万円に処する。

原審の訴訟費用は被告会社と原審相被告人桜井四郎との連帯負担とする。

理由

弁護人黒田覚の控訴趣意第一点について。

しかし刑事訴訟法第四〇二条の規定は控訴審の手続に関する特別規定であつて同第四一四条により上告の審判について準用せられるのであるが第一審裁判所の公判手続についてはその適用のないのは勿論この特別規定を準用すべきものと解釈しなければならない根拠も見出せないから事件の差戻を受けた裁判所は新な第一審裁判所として当該事件につき適正妥当な裁判を為すべきもので既に破棄せられた第一審判決の為に何等拘束せられる理由はない。従つて新な第一審裁判所は仮令被告人から控訴して破棄せられた場合であつても該破棄せられた判決の刑より重い刑罰を言渡すことを妨げないものと解釈すべきは法理上当然である。(昭和一五年七月一〇日大審院判例参照)論旨は理由がない。(註 本件は量刑不当により破棄)

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